部門の紹介


 私達は、リウマチ性疾患あるいは膠原病と呼ばれる疾患の発症病因を解明するための研究を行います。また、これと並行して、これら疾患の正当かつ最新の診療を行います。すなわち、発症病因の解明と正しい治療の樹立、そして、正当かつ最新の診療を行うことは大学病院の使命であります。また、研究については、最近は分子生物学など医学の定量解析が格段に進み疾病の詳細なメカニズムがどんどん明らかにされて来ていますが、疾病の原点に踏み込んでこれを治すための研究は多くありません。しかし私達が目指す発症病因の解明は、その解明した「因子」を前後左右に揺さぶれば疾病が自在に発症したり治癒したりするその「因子」の発見であり、ただ単に疾病の病態を理解することを目指していません。

 私達が目指すものはたとえば、地動説によって天動説では説明困難であった天体の動きが解明され、そこから導き出されたニュートンやケプラーらの方程式によって新しい惑星の存在が予測されかつ実証される、そうした解明です。物体が動き止まる、あるいは曲がるなど日常の物理現象がニュートンの微積分学によって解明され、また光速下での物理現象がアインシュタインの相対性理論によって明らかになったように、私達は発症病因の真実(実相)を求めているのです。

 私達の目の前の患者さんは現に苦しんでいるのであり、したがって私達はたとえ非力菲才でも、力の限り努力します。現代は一昔前に比べると格段に恵まれた時代ですが、それでも不平不満が渦巻いています。しかし私達は、不成功の責任を他に転嫁することなく、高い壁を前に逃げないで自らの足で立ち、胸を張って立ち向かいます。金メダルはそれを目指さない者には絶対に手に入らない如く、私達は私達の金メダル、発症病因の解明を目指します。目標に向かって努力し迷い悩む中で、ひとは強さをつかむのです。これが私達九州大学病院共同研究部門・リウマチ膠原病内科の理念です。そして、独立自尊(独立して自(おのず)から尊(とうと)し)の、高い志と強靭な魂と高い志をもつ若者が巣立って欲しいと思います。

教授 塩沢 俊一